俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
改めてその事実を噛み締めて味わうように、腕に力を入れて強く抱擁した。
「ちょっ……苦しっ、伶士!」
「だめ。もう離せない。離さないからな。どこにも行かせたくない」
「はっ、はわわ……そっ、あほ!」
甘い甘いセリフを耳元で吐くと、ヤツの勢いは途端にシューっと萎んでいく。
耳まで真っ赤になってる。
こういう甘々シーンに照れるのも、相変わらずか!
だが、それも可笑しくて可笑しくて、頭を撫でながら笑ってしまった。
「あははは」
「むっ……さっきから笑ってばかり!」
「あはははは」
もう、嬉しくて、嬉しすぎて笑ってしまう。
あほ!と、なずなに背中を一発ドン!と叩かれた。
だが、そんな抱擁の最中。
急になずなが「あっ」と声をあげる。
そして、慌てて俺の腕から離れようと俺の胸を押していた。
「んだよ。もう離さないって言ってるだろ」
「ば、ばかっ!今は……」
その行動の理由は、わかってる。
抱擁し合う俺たちの前に現れたのは、チカや輝樹、川村たち。俺が置いてきた人たち。
俺たちを見つけるなり、ニヤニヤとして冷やかしの視線を送ってきた。