俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「真凛ちゃんは陰陽師をクビになってますし、悠介は総本山で手解きを受けただけの話ですし、美奈人は曾祖母がお館様、母は陰陽師ですが、本人は総本山に属してませんし…」
「は…」
「なので、我々は【夢殿】覚醒しようが、何も大騒ぎしません。なんてことないです。むしろ『術者の世界へようこそ!』みたいな?」
本人なりの軽い冗談だったのか、綾小路さんは「わはは」と笑い出す。
すると、周りもつられて「わははは」と笑っている?
え?笑い事?
「……」
う、ウェルカム…?
そんな、まさか。
予想外のまさかの展開に、唖然として開いた口が塞がらない。
だが、俺を取り巻く周りの人々を一瞥すると、綾小路さんのセリフに同意するようにうんうんと頷いたり、引き続き笑っていて、さほど深刻に大騒ぎしていないようだ。
そ、そんなもんなの?
な、何だ…。
あれだけ秘密と意気込んでいたのに。
何だ…。
「あ、もちろん剣軌くんら陰陽師さんたちにはナイショにしちゃいますね?…悠介、美奈人はお館様とゆずらさんには内密に」
「おー!大ばあちゃんと母ちゃんには秘密だな!」
「後々面倒くさいんで、言いませんって」
「イエイエ、あちらさんにバレるのは時間の問題だと思いますヨ」
「えっ!」