俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「玲於奈も剣軌やなずなに喋るんじゃないよ?というか、そこでしょ。そんなこと言って。身近なところにいるんだし」
トーンを落とした落ち着いた声で玲於奈に忠告するのは、川越さんだ。
確かに。玲於奈は陰陽師らと一緒に働いているという、近いところに身を置いているし。
それに…。
《【夢殿】の力が覚醒すると、大変なことになると言いたかっただけデス。ハイ》
…俺に、こんなこと言ってたよな?
だからどちらかと言えば、こいつは陰陽師寄りなんじゃ…と、警戒さえしてしまう。
だが、玲於奈はもさもさしながらも淡々と返す。
「イエイエ、哲太クン。身近にいるからこそわかるんですよ。なずなサンは言わねば気付かないでしょうが、ボスは鋭い御方ですからね。自分で勝手に気付くデショウ。そして、企みがあるとしたら、敢えて口にも出しません。モチロン、敢えて僕から言うことはありまセンが」
「それも厄介だね」
確かに確かに。
《ひょっとして…これ、まさか伶士くんの戦利品……じゃないよね?》
……怪しんでいる風だったもんな。いや、もう気付かれてるかわからない。