マリオネット★クライシス
……ん?
「来年って……大学、入学したばっかりでしょう?」
「あれ、言ってなかったっけ。オレ、飛び級で16の時入学したから」
ケロっとした顔で返され、馬から落ちそうになっちゃった。
慌ててしがみついて、態勢を立て直す。
「と、飛び級っ!?」
耳にしたことはあるけど、それって相当頭よくないとダメじゃなかったっけ。
しかも教えてくれた大学名は、わたしでも知ってるアメリカの超名門校のもので……
気が遠くなるかと思った。
「父さんからは、シンガポールでの就職を勧められてるんだけど、親戚がいろんな国に散らばってて、みんなうちに来いって言ってくれるから、迷っててさ」
「はぁ……」
もはやスケールが違いすぎて想像もつかない。
ひょっとして、セレブだったりする?
住む世界が違う、的な……?
「す、すごいね……いいなぁインターナショナルで」
一瞬だけ過った不穏な予感を誤魔化すように、無理やり口角を上げた。
「わたしなんて、海外旅行すら行ったことないよ。いつか行ってみたいなぁ」
やだな、何ショック受けてるの。
例えジェイがセレブだとしても、わたしには関係ないのに……