マリオネット★クライシス

聞こえたのは、自分の叫び声。
見えたのは、サッと強張った綺麗な顔……


何も考えられなかった。


考えられなかったけど、無意識に身体が動いて――気づいたら、握り締めていたクレープを男めがけてブン投げていた。

ヒュン……


……ベチャッ!

「うぉおっ!?」



ひぃいっ思いっきり顔面に命中しちゃった!!


「ナイスコントロール!」

笑いながら立ち上がったジェイは、顔をクリームまみれにしてよろめいてる男を置き去りに。
そして、呆然としてるわたしの手を掴んで再び走り出した。


「ご、ごめんなさいっ!! それ、食べてくださいねっ!!」



悲鳴みたいな声でなんとか謝ったけど……ちょっと可哀そうだったかな?


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