マリオネット★クライシス
どうやら自分は、まだまだ家に帰れないらしい。
息子には明日、たっぷり埋め合わせをして許してもらおう。
(まったく、人使いの荒いことだ……)
ぼやきつつも、頭は冷静に動いている。
指示されたタイムリミットを考えれば、今すぐ取り掛かった方がいいだろう。
さもないと間に合わない。
気になるのは、自分が加工した後の素材がどう使われるのかということだが……なんとなく嫌な予感はしている。
この先の展開は、もはや自分にも読めない。
これからやろうとしていることが正しいのかどうかもわからない。
それでも……今は彼を信じるしかあるまい。
「じゃあそろそろ、行きますか」
自分を鼓舞するように言って、顔を上げ――……ひゅ、っと喉から潰れた声が漏れた。
心臓が、凍り付く。
「どこに、行くのかな?」
金髪男が、目の前に立ちはだかっていた。