マリオネット★クライシス
第7幕 「もっとオレのこと、知りたくなっちゃった?」
……パタン。
背後でドアが閉まる軽い音がして、ピクって肩が跳ねた。
へ、部屋、入っ、ちゃった。
どうしよう……
せっかく彼とはシないって決めたばっかりなのに。
なんか、変な展開に……。
「へぇ、普通にホテルのデラックスルーム、って感じだな」
ビクつくこっちとは対照的に、ジェイは落ち着いたもの。
構わずどんどん入って行ってしまう。
うん、まぁ確かに……
ベッドの面積が部屋に対して大きいことを除けば、ごく一般的なビジネスホテル風だよね。
ベッドカバーもノーマルな白だし、ソファやカーペットもベージュとアイボリーで……清潔感があって、居心地は悪くない。
ピンクとか紫とか、ド派手な装飾を想像してたんだけど……ドラマの見過ぎかな?
ドアの前に立ち竦んだままそんなことを考えていると、部屋の中央まで進んだジェイが勢いよくベッドへダイブした。
「お、気持ちいー! ユウもこっちおいで。足、疲れただろ?」
寝ころんだまま指先で招かれ、バクン! ってひと際大きく鼓動が波打つ。
「や、あの……わたしは……ソファ、の方で」
ベッドとジェイ、っていうコンビネーションが……う、なんか色っぽくて……
目のやり場に困り挙動不審になってしまうわたしだったけど、すぐ楽し気な声に一蹴された。
「何心配してるんだよ。何もしないって」