マリオネット★クライシス
「……ほ、ほんとに?」
「言っただろ、最高の思い出にするって。ここは、ロストバージンにふさわしい舞台とはいえないから」
あくまで避難場所、と言う言葉に、ひとまず胸をなでおろす。
それからようやくおずおずとベッドに近づき、端っこに腰を下ろした。
「そういえば……スマホ、置いてきちゃってよかったの?」
「あぁ、あれは日本用に用意したヤツなんだ。オレのオリジナルは――ココ」
ニッと口角を上げた彼は、斜め掛けにしてたバッグから薄いカードみたいなものを取りだした……って、それスマホ?
「こっちはずっと電源切ってたし、大丈夫だろ」
全然動揺してる気配がない。
やっぱり彼は、身に覚えがあるの?
「まぁユウのことあっちのスマホで撮っちゃってデータが残ってるけど、どうせあいつらに回収されてるだろうから、悪用されることはないよ」
悪用されることはない?
軽い調子で安心して、とか続けるし、びっくりした。
「もしかして知り合いなの? あの人たち」