マリオネット★クライシス
彼はずっと、無言のまま。
殻に閉じこもったみたいに一人で考え込む様子を見守っているうちに、もどかしさが募ってきて……わたしはついに、ベッドへ膝を乗り上げた。
「ねえジェイ、話してくれない? あの人たちが誰なのか、知ってるんでしょう?」
「…………」
「ジェイの敵と関係あるの? あなたは一体何者なの?」
「…………」
「何か、秘密があるの?」
「…………」
何度質問を重ねても、返ってくるのは沈黙だけで――わたしは息を吐きつつ、シーツに目を落とした。
余計なお世話、だったかな。
詮索、されたくないのかもしれない。
誰にだって知られたくない秘密の一つや二つあって当然だもの。
今日会ったばかりの通りすがりの女子高生に、興味本位で突っ込まれたくないか。
がっかり肩を落としつつ、それでも仕方ないかと諦めてベッドから降りようとした時だった。
「……もっとオレのこと、知りたくなっちゃった?」