マリオネット★クライシス
シン、と室内を沈黙が支配する。
聞こえるのは、自分の心臓の音だけ。
好きって……ジェイがわたしを?
でも、じゃあ、椿さんのことは?
彼女は諦めるってこと?
代役でいいから、自分のものにしたい、とか……
「あー……言っちゃった」
ふいに。
困ったような微苦笑を浮かべた彼がそう言って、コツンと額を軽くぶつけてきた。
「言っちゃった……?」
やっぱり冗談なのかと視線を動かせば、すぐそばに見つけたのはトケそうなくらい甘い眼差し。
「これで終わりだって、そしたら全部忘れるって……でもやっぱり、無理だったな。なんとなく予想はできてたけど」
ブツブツ言ってるのは、何のことだろう?
「あの、終わりって、どういうこと?」
「いや、こっちの話」
彼の肩が小さく揺れた。
笑ってる、らしい。