マリオネット★クライシス

「う、わー……」

予想はしてた。してたけど、これほどとは。

スマホの電源を入れ着信履歴を表示してみると、もう開いた口がふさがらなかった。
ずらぁっと全部、猪熊さんばっかなんだもん。

「3分毎? うわ、ナニコレ」

ほぼストーカー状態。
ドン引きしながらも、それだけ大変なことをしてしまったんだと思うとやっぱり気が重い。
これから告げる内容、あの人は絶対気に入らないだろうなって確信があるから。

なんて言おう。
とにかく、ひたすら謝って、それから……

ため息をつき、ひとまず溜まった留守電メッセージを再生していく。


『栞、俺が悪かった。さっきは言いすぎた。連絡を待ってます』

『栞、俺たちは今までうまくやってきたじゃないか。な? 戻ってきてくれるだろ?』

『栞、どこにいるんだ! 人を揶揄うのもいい加減にしろ!!』

『誰のおかげでメシ食えると思ってるんだ! ふざけんなよ!』


何も知らない人が聞いたら恋人を脅すDV彼氏、って雰囲気のメッセージをだらだらと聞き流す。
やっぱり相当、キちゃってるなぁ。

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