マリオネット★クライシス

この先、この人と一緒に仕事やっていけるだろうか。

担当変えてくれって社長に……言ってもダメだろうな。お気に入りだし。
彼の方から言い出さない限り、無理そう。

ネガティブに考えちゃいながら再生を続けていると、最後の、つまり直近のメッセージになった。


『なぁ栞。いろいろ言っちまったけど、もちろんお前は好きにしていいんだ。枕なんてやらなくてもいい。お前の人生なんだから』

一気にトーンダウン……?
何を言うつもりだろうって、耳に意識を集中させた。


『ただな、俺はお前の願いをかなえてやりたいんだ。もっと売れるようになってみろ? いろんなドラマやCMに出て、そしたらきっとお母さんの目にも留まる。どこかで見てくれてるだろうな。泣いて喜んで、連絡をくれるかもしれないぞ? 会いたいんだろう?』


チリ……


風鈴の音が、聞こえた。


チリチリ……チリンッ……




お、かあ、さん……



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