マリオネット★クライシス
「ユウのおかげでやっと気づけた。それで、もう自分に嘘をつくのはやめようと思ったんだ」
あぁでも……感じる。
彼は今、とても大切なことを告げようとしてる。
そしてそれはきっと、わたしたちのこれからにも関係してくるんじゃないかって。
俄かに鼓動が速くなった。
「お願い、聞かせて」
ゴクッと息を飲み、頷き返す。
その時だ。
トサッ
乾いた音がして、わたしたちは同時にパッと同じ方向を振り返った。
そして、それが奈央さんのトートバックが地面に落ちた音だと理解した、次の瞬間――
崩れるように彼女がその場に膝をついていた。
「……奈央さんっ!?」