マリオネット★クライシス
――事務所としてのコメントはもう発表済みだから。あとは君が一人で頑張ってくれ。
――カメラの前で話すなんて、いつものことだろ? 栞ならできるよ。
――お父さんは何も知らないって、言っておいてくれ。カメラなんてもう、見たくもない。
お母さんと須藤さんが姿を消してしまった後。
開かれた会見に、事務所もお父さんも、同席してくれなかった。
わたしは一人で、カメラの前に立った。
瞬くフラッシュの光。
連続する、シャッター音。
攻撃的なレポーターの声。
壁のように迫ってくるマイク。
誰も気づいてくれなかった。
わたしの手が、足が、震えていたこと。
わたしは……、一人ぼっちだった。
孤独も不安も、一人で耐えるしかなかった。
怖いなんて、誰にも言えなかった。
もしあの時、たった一人でもいい。
わたしの手を握ってくれる友達がいたら。
大丈夫だよ、そばにいるよって……
――オレがいる、ずっとそばにいる。
あの時のわたしは、もう少し強くなれたかもしれない。
「っ……わたし、妹なんです!」