マリオネット★クライシス
「ユウ」
聞き慣れた声に呼ばれて、ビクッと身体が震えた。
全身を耳にして気配をさぐるわたしのそばへ、誰かが膝をつく。
その人はわたしを助け起こしてネクタイを解き、口の中からハンカチを取ってくれて……
「っは、っ……」
口を開くなり新鮮な空気が一気に流れ込み、ゲホゲホむせ込んじゃった。
「ゆっくり、ゆっくり呼吸して」
背中をさすってくれる、温かな手……とうとう涙腺が決壊した。
「っ、ジェ、……っふ、ぇ、……」
ジェイだ。
ジェイがいる。