マリオネット★クライシス

【出演OKって連絡が来た時、局のフロアにどよめきが走ったっていうのはほんとなの?】

【ほんとですよー。もうお祭り騒ぎでした。だってビデオメッセージとかじゃなくて、わざわざご本人が来日して生出演、しかも新曲生パフォーマンスですからね】

【そうだよねー、聞いた時僕も驚いた。でもそれ以上に驚いたのは、さっき】

【さっき?】

【ちょっとだけご挨拶させてもらったじゃない、ご本人に】

【あぁはいはい、そういうことですか、びっくりしましたねー!】

【あのね皆さん、我々が何にびっくりしたと思います? ぶっちゃけ、めちゃくちゃイケメンなんですよ、彼!!】

【どうして今まで顔出しNGだったんだろう、って不思議ですよね。そのままモデルでも俳優でも、できちゃいそうなのに。しかも、日本語もすごくお上手で!】

【ほら、楽しみになってきたでしょ? 大いに期待しちゃっていいですよ皆さん! ……では、そろそろ準備が整ったようですので、お呼びしましょうか】

【今日歌っていただく新曲は、歌詞が日本語ということで。ご自身も初の試みだそうです。ではファントムさん、よろしくお願いします!】



画面が切り替わって……意外なほどガランとした舞台が現れた。

中央、スポットライトの下の椅子、ギターを手にした誰かが座ってて――



「っ……!!」

両手で、口をきつく覆った。
じゃなきゃ、叫んでた。

自分の目が信じられない。

でも、間違いない。


それは……ジェイだった。

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