マリオネット★クライシス

「で、でも……」

最初のショックから立ち直ると、泡のように次々と疑問がわいてきた。
まず、わからないのは……

「どうして翔也さんはジェイに連絡を?」

だって、わたしのピンチなんて、ジェイには何の関係もない。
仮に翔也さんとジェイがすごく親しくて、頼みやすかったとしても、音楽祭の当日だよ? 忙しいことは、翔也さんだって当然承知してたはず。


「それは……」

口ごもったジェイは、なぜかわざとらしい咳払いを一回。

それから意を決したようにわたしへ視線を合わせた。

「あいつが、よく知ってたからだ。オレが結城栞の大ファンだって」


……は?


「え?」


ファン? わたしの?
はは……まさか、そんな……

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