マリオネット★クライシス

「自分の、魅力……?」

戸惑うわたしへ、「映ってたユウ、可愛かっただろ?」ってチャコールグレイの瞳が悪戯っぽくウィンク。

「か、可愛っ……?」

そんなわけない、って否定の言葉が飛び出しかけたけれど。
「ユウは可愛いよ」
自信満々に遮られちゃった。

「笑ってる時も怒ってる時も、真剣な顔も、ふざけてる顔も、全部素敵だ。演技なんかしなくても、一人の女の子として、ものすごく魅力的だ。オレがファンから一人の男になって、本気で攫って行きたくなるくらいに」

「な……っ」

意味を理解して、頬に熱が集まってくるのがわかる。
たぶん今、わたしの顔は真っ赤だと思う。

宇佐美さんたちには聞こえてないよね?
ちゃんと仕切り、閉まってるよね?


「まぁオレの永久保存用にしたかったってのもあるけど……」

「え? 永久……何?」

「いや、こっちの話――ところがさ、あんまりユウがいい顔するから、途中から段々欲が出てきて。見せびらかしたい、とか思っちゃって……MVは結局、おまけってやつなんだ」

「お、おまけ?」

「でも結果としては、これでよかったんじゃないかな」

そう言うと、おもむろに何かをわたしの目の前へ……スマホ?

画面に次々と追加更新されていくのは、膨大な数のコメントだった。

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