マリオネット★クライシス
「そんなにツンツンしてると、可愛い顔が台無しだよー。ま、ツンデレ美少女って、萌えの鉄板だけどさぁー」
「間違いない~!」
顔、近すぎ。
うぅ、気持ちわるい。
「うわ、肌つるっつるだねー超キレー……って、あれぇ、彼女、どっかで会ったことない?」
調子に乗った男に横から前髪を触られて、ギクリとした。
「がははっお前、ベタ過ぎだろそれ」
「いや、マジで。なんか、絶対どっかで見たことあるんだって!」
まずい。
ここは、やっぱり演るしか……
「わっ……ぃいてててて!!」
突然。
隣に座っていた男が悲鳴を上げ、上体をガクッとのけぞらせた。
誰かに服を引っ張られたんだと気づいたわたし、それから怒り狂った男たちが揃って目をやると、その先に立っていたのは――
「ジェイ!」
「なんだテメエっ!」
「いきなり何しやがる!」
叫びながら2人がガタンっと立ち上がり、店内が一瞬にして静まり返った。