マリオネット★クライシス
「んん、おいしいっ!」
一口食べるなり、ナチュラルに叫んじゃったのはわたしです、ハイ。
だって、ファストフードってこんな本格的だったっけ? って味なんだもん。
進化してるんじゃないかと感動してしまうレベル。
「うわ、ジューシー! チーズが効いてるー……」
今食レポやったら完璧にできる自信あるなー、とか本気でうっとりしてたら。
隣からくつくつって、押し殺した笑い声が聞こえた。
「ハンバーガーでこんな感動するヤツ、初めて見た」
「え、あ……だってホントにその、美味しくて……久しぶりだし……」
揶揄うような視線を感じて、うろうろと目が泳いでしまう。
ちょ、ちょっと子どもっぽかった、かな?
「ほら、こっちもどうぞ」
差し出されたポテトに、「ありがと」って照れ隠しでそそくさと手を伸ばしたわたしは、そのまま勢いよく口に放り込んで……
「あ、揚げたてだって言ってたから――」
「あっつっ!」
「……気を付けろって、言おうと思ったのに」
「早く言ってよ!」
「食べるのが早いんだよ!」
コントみたいにツッコんで、次の瞬間、ぶって一緒に吹き出しちゃった。
涙が滲んじゃうほどケラケラ声を上げて爆笑しながら、こんなに笑ったのいつぶりだろって考える。
ヒナタ君と一緒の時は、いつも撮影の話ばかり――
「あ、柏木ヒナタだ!」