マリオネット★クライシス
「っっ~~!!!」
ガバッと両手で口元を覆った。
き、キスされた!
こんなところで!
情けないけど、きっと顔は真っ赤だと思う。
「どどどうして、いきなりっ……」
「んー、したくなったから?」
「な、な――」
「大体さ、この程度で動揺してもらっちゃ困るんだけど。オレたち、もっとすごいことする予定だよな? ユウチャン?」
頬杖をついてこっちを見つめ、どこまでもニヤニヤ意地悪な笑いを向けてくるジェイ。
ほんっとイジワル。絶対、Sっ気あると思う。
「ぅう、うるさいなっ! わかってますっ」
隣でまだくすくす笑ってる気配は、無視。
むぅっとふくれっ面で、ひたすらハンバーガーをパクついた。
ほんとに……参ったな。
まともな恋愛経験がないわたしは、こんな時どうふるまったらいいのかわからない。
今ここに、台本があればいいのに。
そうしたら、何かふさわしい台詞を返せたのに……と、悔しさを紛らわすようにこっそり、唇に舌を這わせてみた。
ただ触れただけなのに、まだジンジン熱っぽいような気がする。