子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 いっそ身体に残るような暴力を振るわれていれば、父も違和感に気付いてくれたのだろう。しかし母は主に言葉で私を貶め、傷が心にだけ残るよう注力した。手を出す時もあくまでしつけとして、過剰な真似はしなかった。

 満足に食事を与えられなかったせいで平均以下の体重だと学校から報告を受けても、『継母の自分と食事をとりたくないと言われてしまう』『せっかく作った料理を食べたくないと文句を言う』と、私がわがままで彼女の手を煩わせる問題児だと周囲に泣いてみせた。

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