子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 流通でかなり力になってもらっている相手だ。深夜だろうとにこやかに対応するつもりでいる。

『実はうちで身内だけのパーティーを開くことになってね。もしよかったら葛木くんもどうかなと。いろいろ紹介したい相手もいるんだ』

 願ってもない誘いに、一も二もなく返事をしようとするが。

『確か先日結婚したばかりだっただろう? ぜひ、奥さんと一緒に来てくれ』

 どうしてそうなる、とは言えず、愛想笑いとともに妻とふたりで参加する旨を伝えておく。

 用件を終えて電話を切ってから、ベッドに腰を下ろし頭を抱えた。

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