子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む

　呼吸を求めて薄く開いた唇の隙間に舌を差し入れると、そのまま彼女の声を奪うように口内を撫でた。

　ぴくりと琴葉が反応し、吐息をこぼす。

　彼女のなにもかもを俺だけのものにしたくて、苦しそうだとわかっていてもキスを止めてやれない。

　舌先を触れ合わせる度、琴葉はいつも俺から逃げようとする。

　慣れていないがゆえの反射的な反応なのだろう。それがかわいいから、つい強引に迫ってしまう。

　キスを繰り返しながら手を彼女の服に滑らせ、中に潜らせる。

　わざと肌をなぞるように指を伝わせて、下着のホックを外した。

　唇を離す瞬間、ちゅ、と微かに濡れた音が響く。