子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 琴葉は呼吸を乱しながら俺を見上げ、こくりと息を呑んだ。

「カーテン……閉めたい。明るいと恥ずかしい……」

 乞うような甘い声にまた、身体の奥の熱が高まる。

「俺にしか見られないんだからいいだろ」

「保名に見られるのが一番恥ずかしいんだよ」

 照れながらも上手に俺の名前を呼び捨てにした琴葉は、手の力を抜いたのをいいことに自分の顔を両手で覆っていた。

「また、変な顔になっちゃう……」

 彼女はたぶん、まったく意図せずに思ったことを言っている。

 それがどれだけ俺を煽っているのかまったく知らずに。

 意地悪を仕掛けたくなり、彼女に問う。

「なんで変な顔になるんだ?」

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