子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 遠ざかるぬくもりが切なくて、思わず自分から保名さんの方へ顔を寄せていた。

「私も、きっと同じだよ」

 私からしたキスは、たぶん保名さんを動揺させたのだと思う。

 そうでなければ、繋いだ手にぎゅっと力を入れなかっただろうから――。


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