子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
「俺たちの結婚は両家にも招待客にも大々的に発表されてる。こうなった以上、間違いだったとすぐに離婚するわけにはいかない」

「……はい。わかっています」

「わかっていたから、式の間も俺に合わせたんだろ?」

 かつて聞いた時とは違う、大人の男性の低い声。こんなにも鋭く、敵意を持って胸を刺すものだなんて知らなかった。

「……うちには後継ぎが必要だ。それも結婚の条件に入ってる」

「そう、なんですか」

 確かに葛木家には保名さんしか後継ぎがいない。となると、彼には次の後継者となる息子が必要になる。

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