子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
初恋は実らない
翌朝から結婚生活が始まり、保名さんは私に『家事をしてほしい』と言った。
「仕事をしたことがないらしいな。今から外へ出して問題を起こされても困るし、おとなしく家で掃除でもしてくれ」
「わかりました」
内心、ほっとしてしまい、彼に申し訳なさが募る。
働けと言われても、家から出してもらえなかった期間の長さもあって、なにから始めればいいのかわからない。
しかし家事ならば、これまで実家でもしてきた。弥子が嫌がったために、料理の経験だけはないが。
「掃除用具はありますか?」