元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「エレノアお姉様…!私どうしてもお伝えしたいことがあって…」
「…わかったわ。ここでは皆様に迷惑がかかってしまうから場所を移しましょう、ガーネット様お外の庭園をお借りしてもよろしいかしら?」
パッと表情が明るくなる彼女に対し、私は努めて冷静に受け答える。
「…えぇ。エレノア様のお願いなら…」
「…ありがとう。シャーロット行きましょう」
「はい、お姉様!」
心配そうに見送るガーネットに軽く会釈をし、私達は温室を後にする。
先程まで温室にいたからだろうか。
外に出た瞬間、空気が冷たく感じた。
私の後ろをひな鳥のようについてくるシャーロットは、一体何を考えているのだろう。
小さい頃は、シャーロットのことを何でもわかっているような気がしていたけれど、リアム様との一件から彼女が内心何を考えているのかさっぱりわからなくなってしまった。
温室の屋根が見えなくなるくらい歩いた先に小さな噴水とベンチが目に入る。
私はそこに腰を下ろした。