元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
屋敷に着くと、書斎にいる父に一言声をかける。
「お父様、ただいま戻りました」
「おぉ。エレノア、お帰り。ブラウン家のパーティーはどうだったね?」
にこやかに微笑む父の姿に、パーティーに乗り込んできたシャーロットのことは黙っていたほうがいいだろうと思い、
「えぇ。とても楽しかったですわ。また、お父様にもパーティーのお話をいたしますね。今日は帰ってきたばかりですのでこれで失礼致します」
と、だけ告げた。
「そうか、また話を聞かせておくれ。ゆっくり休みなさい。あと、ルーナには今のお使いを頼んでいてね、もう少ししたら戻ると思うから」
「はい、わかりました。それでは失礼致します」
軽く父に対し、お辞儀をし、私は書斎を後にした。
長い廊下を進み、自分の部屋にたどり着くとようやく肩の力が抜けるような気持ちになる。
ルーナもいないなら、今日のパーティーでの話はまた明日にしようかな。
まだ寝る時間には少し早いが、今日は色々あって疲れたし、少し横になろう。
そう思い、パーティー用のドレスを脱ぎ、部屋着になると、ベッドの方へと足を向けた。