元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「ご、ごめんね。ビックリしたわよね…」
よしよしと、ルーナの頭を撫で、彼女を落ち着かせる。
すると、
「エレノアおはよう。昨日は悪かったね。君を待ってる間に眠ってしまったみたいで…ルーナも朝から驚かせて申し訳ない」
私の部屋の扉が開き、身支度を整えたノエルが出てきた。
「ノエル様、こちらこそ朝から騒いでしまって申し訳ありません」
頭を深々と下げ、謝罪をするルーナ。
…きっと、私の部屋でも相当騒いだのね。
「私は全然大丈夫。よく眠れた?」
「…あぁ、まぁね」
…?
なぜか、ノエルは、私とあまり視線を合わせずそう答えた。
いつもなら、真っ直ぐに目を見て話す彼にしては珍しい。
「…そう。ならよかった。ノエルは今日は予定大丈夫なの?」
「昼から、会議があるくらいかな」
「そう!それならせっかくだし朝食を一緒に食べましょう?お父様は、もうお仕事に出られてるみたいだし、ルーナ準備をお願い」
「かしこまりました」