元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
指示を受けたルーナが名誉挽回と言わんばかりに、テキパキと準備をしてくれたおかげで、私とノエルが広間につく頃には、温かいスープやパン、コーヒーがすでに並べられていた。
「エレノアお嬢様、ノエル様。それでは何かあればベルでお呼びください」
「…あぁ、ありがとう」
「ありがとう。ルーナも朝ご飯ゆっくり食べてきてね」
「はい。それでは失礼致します」
ルーナ達使用人が広間を出ていった後、私とノエルは目の前に並べられた食事に手を付けた。
「……」
「……」
かれこれ、朝食が始まってから数十分、沈黙が続いている。
「…ねぇ。何かあったの?」
コーヒーを一口飲んだ私は、とうとう痺れを切らし、目の前に座るノエルに問いかけた。
「何かって…?」
「だって、今日のあなた全然話さないし、私とあまり視線を合わせないわよね…?」