元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています

「そんなことないと思うけど、エレノアの考えすぎだよ」

ノエルは、そう言いながら微笑む。

ちょっと胡散臭いその笑顔は、普段と違い作っているように見えた。

「そう、また私には隠し事なのね」

「だから、何も隠してないって…」

「…ノエルの嘘くらい長年の付き合いなんだからわかるわよ。わかった、もう今日は聞かないから、話せるときに話してね」

どうせ、聞いても答えてはくれないだろうと思いこちらから話を切り上げる。

「…ごめん。今度ちゃんと話す」

「いいわよ。まだ言えないことなんでしょう?」

少しバツが悪そうな彼がかわいそうに見えて、

「あ、そういえば言い忘れてたけど昨日はガーネット様のティーパーティーでシャーロットに会ったの…あの子、リアム様と上手く言ってないのかしらね…ノエルは何か聞いてない?」

と、こちらから話題を切り換えた。


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