元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています

リアムに何を言われて手を貸していたのか知らないがビクター家の使用人が主の不利になる行動をした…これだけで処分するには十分な理由だった。

それを恐れているのだろう。
アリスは、ただただ小さな声で

「申し訳ありません…申し訳…っ」

と、呟くばかり。

「…ノエル、そして皆申し訳ないけど私とアリスを二人きりにしてくださらない?」


「…わかった、そうしよう。…皆も行こうか」

ノエルを先頭に先程まで部屋に待機していたメイド、執事たちも次々に部屋を後にする。

そんな中、残されたのは私とアリスだけだ。

「…アリス、こちらにいらっしゃい。まずは座りましょ」


「わ、私は…ここで…座るなんて…」


「いいから、こちらに来て座ってちょうだい。そんなに離れた距離じゃ話がしづらいもの、ね?」

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