元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
気を抜いていた私は、そのままノエルの方へと身体が傾く。
ギュッ
気づけば、彼の腕の中。
そう、私は抱きしめられていたのだ。
突然の行動にドギマギしてしまう私。
元々、小さい頃からリアムという婚約者がいた私にとって、他の男性との恋愛経験は皆無、つまり、免疫なんかこれっぽっちもなかった。
リアムとだって、正式な婚約となる私の誕生日までは過度なスキンシップは避けており、精々手を繋ぐレベルのスキンシップしかしたことがない。
「ちょっとノエル、急に…どうしたの?とりあえず、ち、近いからちょっと離して…っ!ちょと…苦しいってば」
キャパオーバーの私は、そう言って声をかけるもさらに、ギュウギュウと抱きしめる力を強めるノエル。