元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
自分自身、普通の令嬢にしては…まぁ、ちょっとお転婆な部分があるかななんて、思う時もあるけれど、猪突猛進とか、何もそこまで言わなくても。
若干、ショックを受ける私。
「…ま、そこがエレノアの良いところでもあるんだけどね。僕、エレノアのそういうところ好きだし」
ソッと、抱き締めていた身体を離しながら、私の瞳を見つめ、ニコリと微笑むノエル。
す、好きって…人としてってことよね
「あ、ありがとう?」
とりあえず、やや首を傾げながらもお礼を言う私を見て、ノエルは、少々呆れたような表情を浮かべた。
「ありがとうって…しかも疑問形だし…君が鈍いのは知ってたけど…これっぽっちも気づいてなかったのならショックなんだけどな…ねぇ、エレノア?」
「…??」
どうしよう、ノエルの言ってることがよくわからない。
気づいてなかったって何を?