元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
そう理解した瞬間、頬がカーッと熱くなるのを感じる。
…な、何がおきたの。
未だに硬直している私の様子ジーッと見つめるノエル。
そして、
「…ふーん、そういう反応?じゃあもう遠慮しなくてよかったのかな」
少し嬉しそうにそう呟くと、再度私の唇にキスを落とした。
「…っん、ちょ…」
しかも、今度はさっきまで一瞬触れ合うようなものではなく、深くて、長い。
い、息が…できないわよ!
苦しいとアピールするため、ノエルの胸あたりをバシバシ叩く。
すると、ようやくそれが伝わったのかノエルが私から離れた。
「…っはぁ、な、によ…もう」
息も絶え絶えの私は、文句の一つでも言ってやりたかったが、蚊の鳴くような声しか出てこない。
「馬鹿だなぁ、ずっと息とめてたの?」
クスリと、笑みをこぼし呆れたような表情のノエルを私は睨みつけた。