元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「へぇ…それで?」
「だからね。ノエルもできるなら本当に好きな人と結婚をしたほうがいいと思うのよ。私のことは心配しないで、まぁ、最悪結婚しなくても家門を継いで、養子をとるって方法もあるもの!」
なるべく私のことで心配をかけないような提案を持ち出し、ノエルに伝えたつもりだったのだが…。
「……」
な、なんでそんな残念そうな目で私を見てるのかしら…?
なぜか呆れたような視線を私に送り、
「…ハァ」
と、最終的にはため息までつく始末。
私、何かまずいことでも言ったかしら…?
お互いのためを思い、考えた結果出した提案だったけど彼のお気に召さなかったらしい。
私が気まずそうに視線を床に落とした瞬間、
「あのさ、エレノア」
ノエルが私の名前を呼ぶ。