元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「僕が、好きでもない女性にキスをするほど甲斐性なしだとでも?」
「え…?いや、そんなこと思ってたわけじゃ…」
しどろもどろになりながらちらりと、ノエルを見ると、気怠げに頭を抱えて私を見つめていた。
「全く…こんなふうに言うつもりなかったのになぁ。このままだと一生気づかないみたいだから言わせてもらうけど…僕はずっとエレノアのことが好きだよ。婚約だって君じゃなきゃ提案しないって、キスしたんだからそろそろ気づいてよ」
「…好き、ノエルが私を…?」
そりゃ、嫌われてはないだろうと思ってたけどむしろ友人として良好な関係だったわけだし。
「あ、一応言っとくけど、友人としてじゃなくて女性としてだからね」
そこまで言われて、私だって気づかないほど馬鹿じゃないけど…。
ノエルが私のことを女性として好きだなんて
今まで考えたこともなかったから戸惑いが大きかった。