元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「えっと、私…」
そりゃ、ノエルのことは好きだけど異性としてどうなのかと言われると…でも、キスは嫌ではなくて…。
ぐるぐると、考えがまとまらない中、とりあえず何か言わないとと思って口を開く。
すると、
「ちょっと待って。今返事しようとしてる?僕的には君にちゃんと好きになってもらってから告白するつもりが、エレノアがあまりにも鈍いから順番変わっちゃって想定外なんだよ…まぁ、これからどんどんアプローチするからさ、返事はその時にでもしてよ。焦らなくていいし」
そんな私の思考を読んだのか、ノエルは私に考える時間をくれるとのこと。
その言葉に少しだけ肩の荷がおりた私は、
「う、うん…わかった。ちゃんと考えるわ」
と、小さく呟く。
「ちょっとずつでも僕を異性として見てくれればいいから。あと、急に態度変えるのは無しだから、意識されすぎて話もろくにできないの困るし。まぁ、こっちは言いたいことは伝えられたからそろそろ帰るよ。エレノアも色々あって疲れただろうからゆっくり休んで。またね」
「うん、ありがとう」
ソファから腰をあげ、ドアから去っていくノエルの姿が見えなくなったところで私はコロンとソファに横になった。
ど、どうしましょう…
あまりにも突然の告白に、私の頭はパンク寸前で、その日は、一日中休むどころか悶々と考えを巡らせることとなったのだった。