元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「大丈夫ですか!?まさか具合でも…」
「だ、大丈夫よ!具合なんて悪くないから」
自覚した途端、急に恥ずかしくなり顔が徐々に熱を帯びていくの感じた。
ルーナに心配かけまいと、笑顔を浮かべ、体調が悪いのを否定する。
実際に体調が悪いわけではないのだ。
ただただ、ノエルが好きという事実を認識した今、私が彼に対してしてきた様々なことが恥ずかしくて…。
キスだって…今思えば確かに受け入れてたわよね。なのに、何で気づかなかったの…ノエルが呆れるのも無理ないわ。
ルーナに鈍感だと言われたのも納得だ。
穴があったら入りたいとはまさにこのことを言うのだろう。
ルーナがいるから、なんとか平然を装ってはいるが本当は恥ずかしさに身悶えしてしまいそうなのだ。
そんな私を見て、ルーナは何を思ったのか、
「お嬢様!こんないい天気に部屋に籠もってるのはよくありません。久しぶりに街に行きませんか?また、あの美味しいケーキでも食べに行きましょう?このところ色々ありましたし…息抜きしないといけません。任せてください!私がきちんとお嬢様だとバレないように変装させますから、さぁ、そうと決まれば準備開始ですわ」
バッと立ち上がりそう言い放つと、パタパタと、クローゼットまで行き、服を物色し始めた。