元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています


「ル、ルーナ…?」

「心配しないでください。前回みたいに完璧に変装させます!美味しいもの食べて元気出しましょう、ね?」

いくつかクローゼットから衣装を取り出し、ソファの上に並べながら楽しそうに笑うルーナを見て、私もつられて笑顔になる。

「そうね、そろそろ新作のケーキも出てるかもしれないわね」

「…!!そうでしょう!エレノアお嬢様、そしたらこっちに座ってください。あ!服はこちらにしましょう」

青色の綺麗めなドレスを私に手渡し、クローゼットの奥にしまってあった金髪の鬘を取り出すルーナ。

「さ、お嬢様。こちらに座ってくださいな」

化粧台に案内され、されるがままの私。

ルーナの腕は信頼してるし、今回も任せておきましょう。

それに、私を元気づけようとしてくれてるのね。

ふんふんと、鼻歌を歌いながら、テキパキと準備を進めていく彼女の優しさが嬉しくて、私は小さく笑みを溢したのだった



< 159 / 318 >

この作品をシェア

pagetop