元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「ル、ルーナ…?」
「心配しないでください。前回みたいに完璧に変装させます!美味しいもの食べて元気出しましょう、ね?」
いくつかクローゼットから衣装を取り出し、ソファの上に並べながら楽しそうに笑うルーナを見て、私もつられて笑顔になる。
「そうね、そろそろ新作のケーキも出てるかもしれないわね」
「…!!そうでしょう!エレノアお嬢様、そしたらこっちに座ってください。あ!服はこちらにしましょう」
青色の綺麗めなドレスを私に手渡し、クローゼットの奥にしまってあった金髪の鬘を取り出すルーナ。
「さ、お嬢様。こちらに座ってくださいな」
化粧台に案内され、されるがままの私。
ルーナの腕は信頼してるし、今回も任せておきましょう。
それに、私を元気づけようとしてくれてるのね。
ふんふんと、鼻歌を歌いながら、テキパキと準備を進めていく彼女の優しさが嬉しくて、私は小さく笑みを溢したのだった