元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「シャーロット様もシャーロット様です。エレノアお嬢様にあんなに懐いていらしたのに…まさか婚約者と恋仲になるなんて…」
頭を抱えるルーナに対し、私は苦笑いを浮かべる。
「シャーロットもまだ幼かったのでしょう。事の重大さに今回気づいてくれればいいのですけど」
「エレノア様はお優しすぎます!もうこんなことならリアム様じゃなくて最初からノエル様と婚約なさればよかったのに!!私は最初からノエル様を推してましたもの。今からでも遅くありませんわよ!」
彼女の突拍子もない一言に私はハァと、ため息をついた。
「もう、ルーナったら、ノエルとはそういう関係じゃないのよ。それにノエルと婚約したらリアム様が私のお義理兄様になってしまうんだからね」
ノエルこと、ノエル・コックス。
コックス公爵家の次男であり、私と同じ16歳。
「う、それは確かに微妙ですけれどノエル様とはアカデミーでも一緒で小さい頃から仲良しだったじゃないですか」