元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「お嬢様!これ見てください!フルーツケーキですよ。こちらはカスタードクリームかしら?あら、こっちのチョコレートも美味しそうですわ」
やや、興奮気味のルーナと共に、私達はケーキを物色する。
前回と同じケーキ屋の前で私とルーナは楽しそうにはしゃいでいた。
「本当ね。シュークリームにエクレアもあるわ。いくつかまたここで食べて残りはお土産にしましょうか?」
「そうしましょう。そしたら、私、席があいてるか見てきますね!少々お待ち下さいませ」
ショーケースの前に私を残し、店内に入っていくルーナ。
そんな彼女を横目に私はショーケースに映っている自分の見慣れない姿に関心していた。
前回同様、金髪のカツラに軽くパーマをかけ、フワフワの毛先を演出しており、金髪に映えるようにと大きめの黒いリボンをつけている。
ルーナって本当にセンスがいいのね。
兎にも角にも、今のところ彼女のおかげで私がエレノア・ビクターだとは全く気づかれていないのだ。