元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
しかし、いつルーナが戻って来てしまうかわからない状況で、こんなにのんびりと立ち話をしている場合ではなかった。
ノエルも、なかなか立ち去ってくれないし。
…本当は、この姿でもう会いたくはないのだけれど背に腹は代えられないわ!
困り果てた私は、勢いで
「わかりました!そしたら、こうしましょう。今日は私本当に用事があって、残念ですがお話できそうにありません。日を改めて…ということでどうです?」
そんな提案を持ちかける。
「本当…?そしたら、次の週の同じ時間にここで待ち合わせでどう?」
「えぇ。わかりました。それではまたこの場所で。失礼します」
ペコリと、頭を下げ私はパッと店内に駆け込んだ。
ガラス窓の向こう側からルーナがやってくる姿が確認できる。
危ない…あやうくルーナがノエルと会っちゃうところだったわ。
「あら?お嬢様、お外で待ってるかと思ってましたのに。待ちきれなくてお店に入ってきていらしたのね。先ほど席を開けていただいたのですぐ入れますよ。こちらです」