元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています

店内にいる私を見て、にっこり微笑む彼女は、店員よりも素早く、席まで案内してくれる。

「私、今日はこのカスタードプリンタルトにしようかなと思ってます!お嬢様はどれにしますか?」

席についた私にメニュー表を見せてくれるルーナ。

私も彼女同様、ケーキを楽しみたいところだけれど、

先ほど勢いでしてしまったノエルとの待ち合わせの約束を今更ながら後悔していた。

…そうだわ。この変装ってルーナがいないとできないじゃない。

来週も同じようにメイクをしてもらうなんて…彼女も理由を尋ねてくるはず。

1番重要なことを忘れていたが、ルーナが私を1人で街に行かせてくれるとは到底思えない。

…なんて、切り出そうかしら。

話すなら機嫌がいい今しかないわよね。


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