元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
ケーキを食べつつ、不思議そうに私を見つめるルーナ。
意を決して、私は
「来週も街に行きたいの。だから、ルーナにまた変装メイクをお願いしたいのだけれど…」
と、呟いた。
「来週ですか…?私は構いませんが、お嬢様が立て続けに街に繰り出されるなんて珍しいですね。何かあったのですか??」
「えっと…それが、さっきねあなたを外で待ってた時…ノエルに会ったの。もちろん、彼は私のことエレノアだって気づいてないわ!前に街で会ったノアという別人だと思ってるんだけど…断りきれなくて来週会う約束をしてしまったのよ」
肩をすくめながら、説明する私にルーナは目を見開く。
「…そういうことですか…、わかりました、つまりはデートということですね!」
「デート…というか、ノエルは私だとは気づいていないわけだからデートになるのかしら?」
「何を言ってるんですか、お嬢様!これは立派なデートでしょう!あぁ、今からどんなお洋服を着せようかと私もウズウズしてきました。うふふ、ノエル様が惚れ直すくらい可愛くしてさしあげないと…」
最後の方はなんと言ってるのか聞き取れなかったがとりあえず、ルーナの協力は得られそうで一安心だ。