元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
どうやら私は、従姉妹に誘拐されたようです
――――…
「…っ、ここ…どこかしら?」
私は薄暗い部屋のベッドの上で、意識を取り戻した。
すぐさま、自分自身を確認すると、手足には、逃げられないように縄で縛られている。
そこまできつく結ばれてはないけど…簡単には解けないわね。
…それにしても気持ち悪い。まだ、頭がクラクラするわ。
おそらく、先程、気を失う前にかがされた薬品の後遺症だろう。
なんの薬かわからないが、すぐに意識がなくなったことを考えると即効性がある睡眠薬のたぐいだろうか?
そんなことを考えていると、
ガチャ
突然、部屋の扉が開き、微かに光が差し込んでくる。
そして、扉の前にいたのは
「エレノアお姉様!よかったわ…やっと目が覚めたのね。目を覚まさないから心配してたの」
と、安堵したような表情を浮かべるシャーロットだった。