元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「シャーロット…!…っ」
思わず名前を読んで身体を起こそうとするも、思うように力が入らず、起き上がることができない。
「駄目です、お姉様。まだ薬の効果がきれてないの。無理に立ち上がるのは身体によくないわ」
ゆっくり、そう言いながら私に近づくシャーロットは、いつもの可愛らしい柔らかな笑みを浮かべていた。
「…あなた、どういうつもり、なの?ここはどこ?」
「安心してください。ここは、私が所有している別荘なの。お姉様を招待するのは初めてね!実は、前から招待しようと思ってたのだけれど……まさかこんな形になるとは私も思わなかったわ」
ふふっと、楽しそうに微笑む従姉妹の姿に私は目を丸くする。