元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
…ノエル、大丈夫かしら?
シャーロットの言葉からも、ノエルに対してかなり恨みをもっている様子だったし。
もしかして…新聞記事が出てから、ノエルが私に会いに来なかったのはシャーロットが関係していたのかもしれない。
私に見せていた純粋無垢な表の顔とは別に
まさか、裏ではあんな狡猾に立ち回っていたなんて。
普段の彼女からは、想像したこともなかった。
…いつから、こんな風になってしまったの?
昔からシャーロットは孤独だった。
私もだが、彼女自身も早くに母親を亡くし、父親も仕事が忙しく、よく私の屋敷に預けられていたし、きっと愛情には、飢えていた。
それに、元々、引っ込み思案の彼女は、私以外に仲良く遊ぶ友人も少なかったように思う。
…私がもっと、本当のあの子に気づいてあげていれば。
今更後悔しても遅いのかもしれない。
ただ、これ以上あの子が大事を起こして罪を重ねる前に…
「姉として…家族として私が止めないと」
小さく呟き、私はふらつきながらもゆっくりと、起き上がる。